研究センター設立趣旨

I  設立趣旨

パクス・アメリカーナが終焉し、アジア力の世紀が展開し、いま世界は「一帯一路」構想を主軸に動き始めて います。その現実が、同構想が 2013 年カザフスタンとインドネシアで打ち上げられて以来、5 年の歳月の中で明 らかになり続けています。

私たちは、日本における同構想への対応の遅れを憂い、同構想の研究の緊要性に鑑み、2017 年 11 月日中国交 正常化 45 周年記念シンポジウム開催を機に、一帯一路日本研究センターの設立発足を決意するに至りました。同 センターの設立発足に当り、一帯一路構想が、次の新しい特質を基軸としていることを確認します。

1)規模において、アジアから欧州、中東、アフリカに至る、沿線国 60 余カ国、世界人口の三分の二を占め る大経済圏構想として、日本の未来にとって巨大な潜在性を秘めていること。

2)外交形態において、軍拡と危機に傾く古典的な同盟関係ではなく、21 世紀型の経済社会的ウインウイン の“伙伴関係(パートナーシップ)“を基軸としていること。

3)対象領域において、インフラ投資や開発、通商、環境や、資源エネルギー、産業技術から外交・文化交流 に至る多面的領域に及ぶこと。

4)政策手法において、国境を超えた連結性(コネクティビティ)の建設強化を基軸に据えて、空間ボーナス の最大化を志向していること。

5)政策理念において、持続可能な地球環境との多元共生と、貧困やテロなどの途上国問題の解決を目指した 包摂性(インクルーシブネス)を主軸としていること。

その意味で一帯一路構想は、欧米近代からの静かなる離陸を超えて、ポスト近代に向けた新たな挑戦への潜在 性を秘めています。

かつて第2次大戦後の 1948 年、米国主導のマーシャル・プランが欧州復興の起点となり、欧州石炭鉄鋼共同体 とユーロッパ不戦共同体の構築につながったように、グローバル金融危機後、中国主導の一帯一路構想がユーラ シア大陸復興の起点となって、アジア繁栄のための不戦共同体構築の道を拓こうとしています。

いったい私たちは、その構想を、インフラ物流交易や環境エネルギーの諸分野における地域協力と、どう牽連 させ実現させていくのか。そしてユーラシア大のウインウインの不戦共同体の構築に、どうつなげていくのか、 その現実化の道が求められています。

第7回日中韓サミット開催を契機に私たちはいま、「一帯一路版OECD」の設立を視野に入れながら、日中韓 一帯一路シンクタンク連合協議体と一帯一路共同リサーチ基金の設立発足を提案、建議します。

私たちは、国際アジア共同体学会創設以来の十数年に及ぶ豊かな研究成果と広汎なネットワークを基礎に、一 帯一路構想の具現化に向けた、日本初の先駆的戦略研究機関としての重責を果たすことを誓います。

一帯一路日本研究センターの事務局を、同学会の連携機関、一般社団法人アジア連合大学院(GAIA)機構 内におきます。そして国際貿易投資分野における本邦随一の政策シンクタンク、一般財団法人国際貿易投資研究 所(ITI)と提携し、一帯一路啓蒙政策戦略研究とビジネス支援の日本における結節点としての役割を果たし てまいります。

2018年4月18日

II  設立略史

・2017 年 11 月 30 日(木)「日中国交正常化 45 周年記念シンポジウム」(於日本記者クラブ)で 「一帯一路日本研究センター」発足発表。
・2018 年 1 月 26 日(金)一帯一路日本研究センター発起人発足会議開催(於立命館東京キャンパス)
・2018 年 4 月 18 日(水)一帯一路日本研究センター設立記念大会(於日本記者クラブ)
・2018 年 4 月 24 日(火)中日シンクタンク・メディア・ハイレベルフォーラム(於ホテルニューオータニ)
・2018 年5月 24 日(木)一帯一路ビジネスフォーラム開催(於専修大学神田校舎)
・2018 年6月 24 日(日)国際アジア共同体学会春季大会(於専修大学神田校舎)
・2018 年7月 11 日(水)一帯一路特別フォーラム(於専修大学神田校舎)
・2018年9月上旬 一帯一路北京シンクタンク会議、及び遼寧大学日本研究所主催会議招請参加
・2018 年 10 月 20 日(土)国際アジア共同体学会秋季大会(於神戸学院大学ポートランド)
・2018年11月 企画出版『一帯一路から連欧連亜への道』(日本評論社)刊行予定

III  三つのねらいと三つの戦略

(1)三つのねらい

  • 研究啓蒙活動
    一帯一路構想のシンクタンクとして研究啓蒙活動を進めます。
  • 内外シンクタンクとの協働作業
    現地調査研究を軸に、関係シンクタンクとの協働作業を進めます。
  • 法務・経営面での支援事業
    同構想に参画する企業・自治体に対し法務、経営両面からの支援を進めます。

(2)三つの戦略 ―― 何をどう実現するか

  • 知的拠点の構築
    多様な国際会議や研究会を開催し、沿線各国のシンクタンクと共同研究を進めながら一帯一路構想の推進実現に向けた日本における知的拠点を構築します。
  • 共通の繁栄と安全保障への貢献
    センターの擁する豊富なネットワークを活用駆使し、企業・団体・自治体の一帯一路構想への参画協力 を支援し、ユーラシア共通の繁栄と安全保障に貢献します。
  • 戦略的研究基金の創設
    一帯一路構想に伴うリスクを超えて、同構想を日本再興の機会と挑戦と捉え、戦略的リサーチ基金の発出と一帯一路国際機関の創設とを建議します。
  • 【連携機関】一般財団法人国際貿易投資研究所、国際アジア共同体学会 日本華人教授会議

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